春になると道ばたや山道に顔を出すふきのとう。漢字では「蕗の薹」と書きます。キク科の多年草で山菜として人気があります。その人気から現在は野菜として栽培もされるほどになっています。しかし、このふきのとうの毒性についてはあまり知られていないようです。毒のある部位を把握し、安全に調理しましょう!
ふきのとうの毒について
ふきのとうにはピロリジジンアルカロイドという天然の毒素が含まれていることが分かっています。このピロリジジンアルカロイドは肝機能にダメージを与え、肝臓の病気になる可能性があります。
また、ふきのとうアレルギーの存在もあり、今まで大丈夫だった人でも急に発症する場合もあり注意が必要です。
毒素を取り除く方法
ピロリジジンアルカロイドは水に溶けやすい性質のため、アク抜きを行うことで大幅に減少させることが可能となっています。もともとふきのとうは、えぐみや苦みが強いので、調理の前にはアク抜きをしている家庭が多いため、ふきのとうの毒による病気の報告はないようです。しかし、食べ過ぎは危険ですので大量に摂取したり、食べ続けたりするのは避けましょう。大量の目安は350gと言われています。よっぽどのことがない限り大丈夫です。
また、ふきのとうを食べるときは必ずアク抜きを行うようにしましょう。
食べたらどうなる?
ふきのとうをアク抜きせずに大量に食べたり、食べ続けることで肝機能の低下や、ひどい場合は肝癌になる可能性もあります。
また、アレルギーが発症すると、喉や耳のかゆみ、喉の腫れ、嘔吐、じんましん、呼吸困難などの症状が現れることがあります。まれにアナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあります。
毒のある部位とは?
ピロリジジンアルカロイドは主に根っこに多く含まれています。ふきのとうを採るときは、根っこは残して切り取るのが良いでしょう。もし根っこまで採れてしまった場合は、調理前に切っておくことをおすすめします。
また、ふきのとうアレルギーを引き起こす原因は雄花の花粉によるものとされています。天ぷらなどは、丸ごと衣を付けて調理しますので、花粉が体内に入る可能性が非常に高くなり、花粉症の方は要注意です。アレルギーを引き起こさない対策として、雌花のみを食べるようにしましょう。
ふきのとうの栄養と効能
ふきのとうの毒性やアレルギーの存在を知って、少し怖くなった方もいらっしゃるかもしれませんが、ふきのとうには非常に多くの栄養があることも分かっています。
・カリウム
体内の塩分や老廃物を排出してくれる働きがあります。むくみ解消や血圧の正常化に効果が期待できます。
・ビタミン群・葉酸
新陳代謝を高め、ダイエット効果や若返り効果に期待できます。
・ビタミンE
抗酸化作用があり、シミなどお肌の若返り効果が期待できます。
・ビタミンK
骨を丈夫にする補助をしてくれる効果があります。骨粗しょう症予防に効果あり!
・フキノール酸
咳止めや花粉症の軽減効果があります。
・ケンフェノール
免疫力をアップさせ、風邪になりにくい丈夫な体を作ります。
・食物繊維
便秘予防に効果大です!
適量を食べることにより、様々な嬉しい効果が期待できます!
ふきのとうに似た毒草
ふきのとうに似た毒草として、ハシリドコロ、フクジュソウが挙げられます。
採取する場合は注意してください。
・ハシリドコロ
・フクジュソウ
まとめ
ふきのとうにはピロリジジンアルカロイドという毒素とアレルギーに注意が必要です。
安全に食べるためにはアク抜きを必ずやりましょう。
食べ過ぎると肝臓の病気になる可能性があります。
ふきのとうアレルギーは急に発症することがあり、花粉症の方は要注意です。
ふきのとうの毒素は根っこに多く含まれ、アレルギーの原因は雄花の花粉によるものです。
ふきのとうに似た毒草に、ハシリドコロとフクジュソウがあり、採取の際は間違って採らないよう注意が必要です。
以上のことに注意して、旬の味覚をおいしく召し上がってください!
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